女性に多い機能性便秘って?
便秘は「機能性便秘」と「器質性便秘」の2つに分類することができます。
いずれも何かしらの原因で排便が数日に一度に低下してしまったり、排便に困難を伴う状況に違いはありません。
機能性便秘とは
大腸に変形はないが、大腸の働き(機能)に問題がある便秘
器質性便秘とは
大腸に変形(見た目が明らかにおかしい)を伴う便秘
一般に「便秘」と言ったときは「機能性便秘」を指しています。
また女性に圧倒的に多いのも「機能性便秘」です。
機能性便秘は原因によって3つに分けることができる
機能性便秘は原因によって3つに分けることができます。
もちろん原因が違えば解消法も異なります。
「下剤を飲んでも便がでない」
「食物繊維をたくさん摂っているのに便秘が治らない」
こんなあなたは、そもそもの便秘解消法が間違っているのです。
便秘を治すなら、まずは自分の便秘がどんな原因で起きているのか?
そこを特定することで最適な改善方法を選ぶことができます。
機能性便秘3つのタイプ。あなたの便秘はどのタイプ?
1.弛緩性便秘(しかんせいべんぴ)
大腸の蠕動運動(ぜんどううんどう⇒腸が便を押し出す動き)の弱り、筋力の低下などで便を押し出すことができなくなった結果起こる便秘です。
高齢者、運動不足の方、出産回数の多い女性に起こりやすい便秘です。
2.痙攣性便秘(けいれんせいべんぴ)
過度のストレスや緊張で自律神経が乱れて腸の運動が低下し、便の通りが悪くなることで起こる便秘です。
また便秘と下痢を交互に繰り返すのも特徴です。
3.直腸性便秘
便意を我慢することを繰り返すと便が直腸まで運ばれているにも関わらず脳が便意を認識しなくなってしまいます。
便意が起こらないため排便回数が減少してしまいます。
弛緩性便秘の症状・原因・解消法。こんな女性は要注意!
こんな人は弛緩性便秘に注意!
弛緩性(しかんせい)便秘は腸の蠕動運動が弱くなることで起こる便秘です。
便秘には様々なタイプがありますが弛緩性便秘は日本人にもっとも多いものです。
性別や年齢問わず誰でもなる可能性があります。
弛緩性便秘は若い女性に多い
便秘で悩む女性の多くは10代20代という若さから慢性的に苦しんでいる人も決して少なくありません。
そしてそうしたほとんどの方の便秘も弛緩性便秘です。
特に注意が必要なのが「腹筋が弱い人」です。
運動する習慣のない女性は若くても便秘になりやすくなります。
排便をするときには腹圧をかけて腸から便を押し出します。
この力が弱いといきむ力も弱いため便が出しにくくなります。
長い間、便が腸にとどまれば水分も失われて硬くなり便はますます排出しにくくなります。
弛緩性便秘は運動不足という生活習慣が原因で起こることがほとんどです。
運動が嫌いという方でも、ウォーキング習慣を付けるなどできるだけ体を動かしてください。
体を動かせば腸も刺激されるため、排便が促されやすくなります。
体力のない高齢者は特に注意
加齢とともに腹筋が衰えてしまうと収縮力が低下して腸の蠕動運動が弱くなり、重力に逆らって便を押し出すことができなくなるため慢性的な便秘になります。
筋力の低下が原因で起こる弛緩性便秘は改善するにも時間がかかります。
若い人の場合には腹筋を鍛えることで解決することも難しくありませんが、高齢者の場合には腸自体の筋肉の動きが悪くなることもあり、改善が難しいことも多く深刻な状態になることもあります。
弛緩性便秘の症状
弛緩性便秘の主な症状はお腹が張ることです。
痙攣性便秘や直腸性便秘の場合には腹痛がおこりますが弛緩性便秘の場合には腹痛はあまり起こりません。
お腹のあたりがぽっこりと膨れて、お腹が張った感じがします。
これは腸内に溜まった便のせいで悪玉菌が増え、便から有害なガスが発生したことが原因です。
ところが便が詰まっていることで、この有害なガスの出口がありません。
ガスは腸内に溜まるばかりでお腹が苦しくなるのです。
また腸内に便が長く留まることで、便の水分が失われます。
すると排出しやすい柔らかい形状ではなく、硬くコロコロした便となり、排便をしても腸内にまだ詰まったような感覚が残ったり(残便感)
硬いため排便がしにくくなってしまい、更に便秘が悪化してしまいます。
弛緩性便秘は肌荒れの原因にもなる
弛緩性便秘が慢性化すると、腸内に便が常に詰まったような状態になります。
前述したように便が腸内に長くとどまればガスが発生し、このガスの出口がなくなってしまいます。
するとこのガスは血管に流れ込み血液に混ざります。
有害物質の塊が血液に混ざることで全身を巡ってしまいます。
これがニキビや毛穴の開き、肌荒れなどの原因となってしまうのです。
更に腸に便が残ることは自律神経の乱れにつながり、新陳代謝が低下するため肌のターンオーバーも乱れます。
血行が悪くなることで肌のくすみなどの原因にもなります。
また有毒ガスが血流に乗って全身をめぐることで体臭が強くなったり口臭の原因にもなるのです。
便秘は健康だけではなく美容面でも大きな影響を与えます。
便秘気味だなと思ったら、できるだけ早く改善しなくてはいけません。
弛緩性便秘の原因
弛緩性便秘の原因は様々ですが、もっとも多いのは筋力の低下です。
運動不足、加齢などで筋力が低下すると腹圧が下がるため便を押し出す能力が低下してしまいます。
腸は蠕動(ぜんどう)運動で便を肛門に押し出しますが、筋肉が弛緩(ゆるむ)してしまうと便を押し出す力が弱まります。
便が溜まったから排便したいと思っても筋肉が衰えているので押し出すことができないのです。
便が腸に留まることで水分が失われカチカチになり、更に排便はしにくくなり、更に弛緩性便秘が慢性化する原因となります。
またダイエット中の場合は弛緩性便秘が悪化しやすくなります。
過度の食事制限をすれば筋肉が落ちてしまいますし、作られる便の絶対量が少なくなってしまうからです。
元々便秘気味だった女性がダイエットをすることで弛緩性便秘を悪化させてしまうことが多々あります。
ダイエット中でも食事量を極端に減らすのではなく、運動を取り入れることで消費カロリーを増やす努力をしましょう。
弛緩性便秘は妊娠・出産に関係がある
妊娠すると黄体ホルモンの分泌が活発になります。
このホルモンには大腸の蠕動運動を低下させる働きがあります。
また妊娠中は運動不足になりやすいため弛緩性便秘になりやすくなります。
またお腹の赤ちゃんが大きくなれば腸が圧迫されるため便通は更に悪くなってしまいます。
出産後も注意が必要です。多くのママが出産後の便秘に苦しむからです。
妊娠中はお腹が大きくなるにつれて運動ができなくなってしまいます。
筋力の低下は産後すぐに元に戻るわけではありません。
出産後は体力も低下していますし、赤ちゃんのお世話にかかりきりになります。
なかなか筋力を鍛えることが難しく弛緩性便秘が悪化しやすくなるのです。
また出産時のいきみが原因で肛門括約筋の筋肉が傷ついたり、腹直筋離開(腹直筋の腱が緩む)が起こるため排便がしにくくなってしまうのです。
弛緩性便秘の改善法
弛緩性便秘を改善するためにできることはいくつかあります。
ただし、今現在便秘薬を飲まなければ排便できないほど弛緩性便秘が悪化している場合には、一度病院を受診しましょう。
根本的な便秘治療が必要です。
運動をしてお腹周りの筋力アップ
弛緩性便秘は筋力が低下することで腸の蠕動運動が弱るのが原因です。
つまり筋力をアップさせれば、腸の蠕動運動も活性化するため弛緩性便秘も改善します。
運動は激しいものでなくても構いません。ストレッチや体操などで体を動かすだけでも腸が刺激されます。
忙しい場合には、エレベーターではなく階段を使ったり、駅まで早足で歩くなどの軽いものでも効果があります。
お腹周りの筋肉を動かすことで便秘を改善しましょう。
食生活を見直そう
弛緩性便秘の改善には食生活の見直しが欠かせません。
1.食事量を増やす
ダイエット中の方は食事量が少ない=便の量が少なく筋力の低下で更に便が排出しにくくなってしまいます。
少なくとも食事は三食しっかり食べるのが基本です。
朝食はどうにも食欲がわかないという方でもスムージーなど軽いものでもいいので、必ず三食きっちり食べましょう。
昼ごはんと夜ご飯も同様です。ダイエット中だからと食事を抜くと弛緩性便秘は改善しません。
2.起床後1杯の水を飲む
朝起きてすぐに常温の水をコップに1杯飲みましょう。
空っぽの胃が刺激されて動くことで腸の蠕動運動が起こります。
弛緩性便秘の薬
弛緩性便秘役に効果のある市販薬としてはゼリア新薬工業株式会社の「コーラック」や「スルーラックS」、タケダ薬品工業株式会社の「タケダ漢方便秘薬」などがあります。
しかしこれらの薬を安易に使用するのはおすすめできません。
これらの薬は腸に刺激を与えるものだからです。
弛緩性便秘は慢性的に起こるものなので薬を飲む習慣がついてしまうと強い刺激に腸が慣れてしまい、だんだん効果が得られなくなってしまいます。(クセになる)
そしてますます自力での排便が困難になってしまいます。
まずは運動、食生活の改善など生活習慣を見直すことからじっくり便秘と向き合ってみてください。
非水溶性食物繊維を取るのが効果的
弛緩性便秘は腸が動かないことで起こるので腸が動くように刺激を与えるのが効果的です。
運動などで外側から物理的に腸に刺激を与えることや、便を送り出す筋肉量を増やすアプローチと同時に行いたいのが非水溶性食物繊維の摂取です。
※非水溶性食物繊維は穀物や豆類に多く含まれています。
非水溶性食物繊維を摂取すると水分を吸収して腸内で膨らみ便が伸縮し便があることを腸が意識します。
小林製薬から発売されている「イージーファイバー」やDHCから発売されている「食物繊維」などサプリメントが色々あります。
こうした非水溶性食物繊維を取ってみてください。
また腸内環境が悪化している場合には便秘薬よりもビオフェルミンなどの整腸剤で腸内環境を整えるのも有効です。
弛緩性便秘に良い食べ物・悪い食べ物
弛緩性便秘を改善させる良い食べ物
弛緩性便秘の場合、食生活の改善は欠かせません。
特に腸を刺激するのが非水溶性食物繊維(不溶性食物繊維)です。
これは水に溶けない食物繊維で水分を吸収して膨らみます。
食事量を増やさなくても、便の体積を増すことができるので大腸に刺激を与えることになり、便意が促されます。
大豆、芋類、きのこ、ごぼう、こむぎふすま、とうもろこし、ごま、豆類、玄米など…
これらには非水溶性食物繊維が豊富に含まれているため、腸内で膨らみ蠕動運動を刺激します。
勿論、非水溶性食物繊維をふくらませるための水分も多めに摂取するようにしましょう。
食生活の改善が難しい人の場合には粉末の食物繊維などが販売されているので、こうした商品を利用してみると良いでしょう。
弛緩性便秘を悪化させる悪い食べ物
弛緩性便秘を改善する食べ物がある一方で悪化させてしまう食べ物もあります。
完全に摂取をしないのは無理にせよ、できるだけ摂取を控えるようにしましょう。
・白砂糖
お菓子などに多く含まれる白砂糖は腸の運動を鈍らせます。
また摂取すると悪玉菌のエサになるため、便秘が悪化します。
・冷たいもの
冷たい食べ物や飲み物はお腹を冷やします。
体が冷えると代謝が悪くなってしまうため便秘が悪化します。
弛緩性便秘で悩んでいるなら冷やした水ではなく常温の水を飲むようにしましょう。
・アルコール
適度なアルコール摂取は腸を刺激するため弛緩性便秘に効果があります。
しかし適量以上に飲むとアルコールを分解するために水分が使われてしまうため体が脱水状態になり便秘が固くなり排出が困難になります。
痙攣性便秘の症状・原因・解消法。こんな女性は要注意!
こんな人は痙攣性便秘に注意!
痙攣(けいれん)性便秘はストレスが原因で自律神経が乱れて腸の蠕動運動が過剰になることで起こるものです。
日頃からストレスを感じやすい人は特に注意が必要です
例えば…
- 真面目で神経質な性格
- 落ち込みやすく、物事を悪く考えがち
- 気が弱く思ったことをはっきり言えない
- 好きなこと・趣味がない
- 不規則な生活を送っている
- 引っ越し、転職、就職、進学など生活に大きな変化があった
といったことに当てはまる方は痙攣性便秘になりやすいです。
しかも痙攣性便秘を繰り返すことで便秘自体がストレスになってしまうという悪循環に陥ることもあります。
逆に同じような環境にいても、気楽であまり物事を深く考えないタイプの方はストレスを感じにくいので痙攣性便秘にはなりにくいのです。
リラックスする時間を作ることからはじめる
人はそれぞれストレス発散の方法が違います。
外に出かけて誰かとおしゃべりをして楽しく過ごす時間がストレス発散になる人がいる一方で…
人と話すと疲れる、騒がしいのは苦手という人もいます。
一様に「コレをすればストレスが発散できる」というものはありません。
自分に合うストレス発散方法を見つけることが重要です。
誰にでも手軽にできるリラックス方法としては
- 音楽を聞く
- 睡眠時間を長くする
- ゆっくりぬるめのお風呂に浸かる
などがあります。
特に睡眠時間は重要です。
眠るということは思考をリセットすることです。
たっぷり睡眠を取るだけでも心と体がすっきりします。
ストレス発散の時間がない!というくらい忙しい場合には、せめて快適な睡眠時間を確保することから初めてみましょう。
痙攣性便秘の症状
便秘というと、何日も便がでなくて苦しい。
トイレで踏ん張ってもなかなか便が出てくれない。
そんなイメージが強いと思います。
痙攣(けいれん)性便秘はこうしたイメージの便秘とは少し異なります。
というのも、痙攣性便秘は便秘だけではなく下痢も起こるからです。
便秘と下痢が交互に発生するのが痙攣性便秘の最大の特徴です。
また大腸が過剰に運動(痙攣)していることが起こる便秘なので下腹部に痛みを伴うこともあります。
これは消化と吸収のスピードと腸の運動が釣り合っていないからです。
主な原因はストレスです。
現代社会はストレスがとても多いので誰でも痙攣性便秘になる可能性があります。
便秘や下痢の症状が軽くても、繰り返している場合には要注意です。
痙攣性便秘はなぜ起こるのか?
痙攣性便秘はその名の通り、腸が痙攣することで起こります。
自律神経の乱れによって腸の動きが活発になりすぎており、大腸が伸縮して痙攣してしまうのです。
すると便の通り道が細くなってしまい便が逆流してしまいます。
逆流するということは便が詰まるということで便秘が起こり、便秘の間に蠕動運動は活発に行われるものの活発すぎて水分を十分に腸が吸収することができずに下痢便が起こります。
こうしたメカニズムで便秘と下痢が起こり便が逆流することで残便感や腹痛、お腹の張りなどが凝ってしまいます。
つまり下痢が間に挟まるのも便秘に原因があるということです。
特に食後は胃腸の動きが活発になるため腹痛が起こりやすくなります。
下痢と便秘を繰り返したり、食後に腹痛になりやすい方は痙攣性便秘を疑いましょう。
痙攣性便秘の原因
痙攣(けいれん)性便秘はストレスが主な原因です。
20代~40代の現代女性は特にストレスの多い環境にいる人が多いです。
- 女の人でも就職してバリバリ働くのが当たり前
- 結婚しても共働きでバリバリ働いて家事をやるのが当たり前
- 子供を産んでも働いて家事をして育児をするのが当たり前
- 子育てがはなれたと思ったら親の介護が待っている
あれもこれも両立しようと精一杯頑張っている女性が本当に多いのです。
しかし人間の体はそれほど丈夫にできていません。
もちろん精神もそれほど丈夫にはできていません。
自分ではちょっと無理をしているくらいの感覚でも疲れというのは泥のように溜まっていきます。
そしてストレスが原因で自律神経が乱れて痙攣性便秘に繋がってしまうのです。.
あなたの限界を知ろう。痙攣性便秘の女性はどこかで無理をしている。
人間の体はそれほど無理ができるようにはできていません。
何もかも完璧にこなすのは無理でしょう。
無理をしてしわ寄せが出た結果が痙攣性便秘なのです。
今はストレスが便秘という形で現れているだけですが、このまま無理を続ければもっと大きな病気につながります。
ストレスは様々な病気の原因になります。
何かあってから対処するのでは遅いのです。
仕事、家事、育児、介護。現代女性はとても大きな負担を1人で抱え込んでいる人が多いです。
痙攣性便秘は限界が近づいているサインです。
便秘という症状に自律神経の乱れが現れている今のうちに負担を減らすように周囲に働きかけてください。
痙攣性便秘の改善法
最も簡単な改善方法はストレス原因を取り除くことです。
ストレスから解放されれば、自律神経の乱れもなくなるため痙攣性便秘を改善することができます。
とはいえ、簡単にストレス原因を取り除けないから痙攣性便秘になるほどストレスが溜まってしまっているのです。
簡単に解消できるストレスであればバッサリと原因を取り除けばいいのですが、仕事や育児などストレスが溜まってるからと言って投げ出せないものも多いでしょう。
その場合にはできるだけストレスを溜めないようにすること。
ストレスを発散させることが一番の解決方法となります。
特に入学、卒業、進学、就職、転職など環境の変化はストレスになります。
特に注意しながらストレスを溜めないように定期的に発散することを心がけましょう。
もっとも簡単なストレス発散法は早く寝ること
気軽にストレス発散ができれば一番良いのですがなかなかストレス発散する時間も取れないという方も多いのではないでしょうか。
そんな時には睡眠をたっぷり取るようにこころがけましょう。
仕事で疲れているのに、何もする気になれずについついスマホを見ながらだらだら夜更かし…なんてしていませんか?
たっぷり睡眠を取って朝日を浴びるだけでも人間の体はストレスを発散できるようにできています。
寝る前のパソコンやスマホなどは控えて早めの就寝を心がけましょう。
適度な運動も効果的です。
有酸素運動は自律神経を安定させる働きがあります。
ウォーキングやサイクリングなどで構いませんので運動する習慣がない方は生活に取り入れてみてください。
痙攣性便秘の薬
痙攣(けいれん)性便秘の原因はストレスです。
現代社会はストレスで溢れています。子供でも親の離婚や引っ越し、受験勉強などでストレスを感じると自律神経が乱れて便秘になります。
誰でもなる可能性があるのが痙攣性便秘なのです。
このためストレスを取り除くのがもっとも効果的な「薬」となるでしょう。
ストレス原因がなくなれば自律神経は自然に元に戻ります。
しかし現実としてストレス原因を簡単に取り除けないことが多いです。
このためストレス原因を取り除くのではなく、溜めずに発散する回数を増やすのが現実的な「薬」となるでしょう。
運動、趣味、睡眠、美味しい食事など自分に合う方法でストレスを発散させましょう。
痙攣性便秘に市販薬は絶対に使わないこと!
便秘に効果があると言われている市販薬や漢方、下剤は色々あります。
しかし安易に市販薬を使うのは逆効果です。
痙攣性便秘は腸が痙攣している状態です。腸の蠕動運動が過剰な状態で起こる便秘です。
市販の便秘薬は弛緩性便秘に向けて開発されたものが多く、腸を刺激して蠕動運動を活発にさせる薬です。
すでに過剰に動く腸を薬で刺激するというのは痙攣性便秘を悪化させます。
どうしても痙攣性便秘の症状が重たい場合には病院を受診して医師の判断で薬剤を使用してください。
病院では便を柔らかくする薬や蠕動運動を調整する薬剤を処方してくれます。
同様に腸の蠕動運動を刺激する便秘マッサージや体操など腸を刺激するような行為は控えるようにしましょう。
痙攣性便秘に良い食べ物・悪い食べ物
痙攣性便秘を改善させる良い食べ物
痙攣(けいれん)性便秘に効果的な食べ物は水溶性食物繊維を多く含んだ食品です。
水溶性食物繊維は水によく溶けます。
そして腸への刺激を和らげて排便しやすくする働きがあります。
おすすめなのがわかめや昆布などの海藻類です。
この他にはりんごやキウイフルーツなどの果物も水溶性食物繊維を多く含んでいるため効果があります。※果物は冷やさず常温で食べてください
基本的には腸を刺激しない「やさしい食べ物」がおすすめです。
昔ながらの和食などヘルシーな物を中心に食べるようにしましょう。
痙攣性便秘を悪化させる悪い食べ物
痙攣性便秘は腸の蠕動運動がストレスによって過剰になってしまう便秘です。
腸を刺激してしまうような食べ物は症状を悪化させてしまいます。
注意が必要なのは非水溶性食物繊維を含む食材です。
大豆、芋類、きのこ、ごぼう、こむぎふすま、とうもろこし、ごま、豆類、玄米など
日本人に最も多い腸の蠕動運動が低下することで起こる弛緩性便秘では非水溶性食物繊維を含む食品の摂取が推奨されます。
しかし逆の原因で起こる痙攣性便秘には逆効果なので要注意!
もちろんすべて摂取しないということはできませんが過剰摂取しないように食生活を見直すようにしましょう。
同様にアルコールやカフェイン、脂っこい食事、ジャンクフード。
冷たすぎるもの、辛すぎるもの、熱すぎるものなど腸を刺激してしまうのでできるだけ摂取を控えるようにしましょう。
直腸性便秘の症状・原因・解消法。こんな女性は要注意!
こんな人は直腸性便秘に注意!
直腸性便秘になりやすい人にはいくつかの特徴があります。
便意をよく我慢する人
直腸性便秘は男性より女性が圧倒的に多い便秘です。
仕事が忙しい、家の外ではおちつかなくて排便ができない、学校では周囲の人が気になってしまって排便できない…
などの理由で便意を繰り返し我慢していると便意を感じてもトイレに行かないと脳にインプットされてしまい、直腸まで便が来ていても便意を感じにくくなってしまいます。
便意がないのでトイレに行かないということは直腸に便が長い時間留まることになり、その間に便から水分が失われ便がカチカチに硬くなってしまいます。
直腸性便秘は他の便秘に比べてとても便が硬くなりやすい便秘です。
すると便が硬いため便を押し出しにくく、肛門を傷つけたり、いきんでもなかなか出てこないということになり更なる悪循環につながります。
便意をよく我慢するという方は出来る限り速やかにトイレに行くことや便意を感じなくても毎日決まった時間にトイレに行く習慣をつけるとよいでしょう。
また、おならは便意の前触れです。よって、おならを我慢することも厳禁です。
直腸膣壁弛緩症の女性は要注意
肛門寸前まで便がきている感じはあるのにどれだけイキんでも便が出ない場合、直腸膣壁弛緩症の可能性があります。
直腸膣壁弛緩症は女性に特有の排便障害です。
肛門が広がる大きさよりも直腸下部の直径が大きく広がってしまうというものです。
口の小さい風船のような形状ですね。
つまり簡単に説明すると肛門のサイズに比べて直腸下部が広がってしまうことで便が肛門から出せないくらい大きいサイズになってしまうのです。
当然小さいところから大きいものは出ませんから排便が困難⇒便秘になってしまうのです。
直腸のすぐ前に膣があり、直腸の圧力が高くなると膣壁が負けて膣の方に直腸が広がってしまいます。
男性の場合には膣がないため直腸が広がるスペースはないため女性特有の排便障害と言われるのです。
直腸膣壁弛緩症の場合、便を柔らかくすることが効果的です。
刺激性の便秘薬ではなく軟化剤と呼ばれる酸化マグネシウムで便を柔らかくすれば排便しやすくなります。
直腸性便秘の症状
直腸性便秘の特徴的な症状として以下のものがあります。
1.便意を感じにくい
正常な人の場合、便が直腸まで到達すると、「出口付近まで便が迫ってますよ」というサイン(便意)を感じます。
便意があるので、トイレに行けばすんなり便が排出されます。
直腸性便秘の場合、便が直腸まで届いているのにそのセンサーが鈍っており便意を感じません。
なので便が長く留まることになり水分が失われて便が硬くなり排便が困難になってしまいます。
2.便が非常に硬くなる
他の便秘でも便は硬くなる傾向にありますが、直腸性便秘は特に便がカッチカチになりやすいのが特徴です。
これはもともと直腸に到達した時点で便からは水分が失われているのにも関わらず、そこから更に水分が失われてしまうからです。
このため便は太く硬くなり排便がより困難になってしまうのです。
直腸性の便秘はとても慢性化しやすいものです。
人間の体は多少なら便意を我慢することができます。
例えば電車に乗ってる最中に便意を感じたとしても10分後に自宅最寄り駅下車するとわかっていれば…
1駅2駅我慢して自宅最寄り駅で下車してからトイレに行こうとそれまで我慢するのは普通の行為です。
そしていざ自宅最寄り駅で下車したら便意が消えている…なんていうのは誰でも経験があることだと思います。
便意を我慢すると、便意は遠のきます。
これが1回程度であれば大きな問題にはなりません。
トイレに行きたい時に、いつでもいけるとは限らないからです。
しかし繰り返すと便意を感じなくなってしまうのです。
すると便秘は非常に慢性化しやすくなります。
直腸性便秘は便が存在しているに関わらず便意を感じにくくなる便秘です。
長期間、腸内に便がたまってしまうと有毒なガスや発がん性物質を発生させます。
繰り返すことで大腸がんの危険性が高まります。
女性は排便中の音やニオイを嫌うため外出先でのウンチやおならを我慢する人が多いです。
日頃から便意をよく我慢する人は早めに改善しなくてはいけません。
直腸性便秘の原因
直腸性便秘は便自体は大腸の蠕動運動によって直腸まで問題なく運ばれてきています。
にも関わらず肛門付近で問題が起きているために上手く排便ができずに肛門直前で詰まってしまうのです。
ではなぜ、肛門の直前にまで便が来ているのに排便できないのでしょうか?
主な原因は便意を感じるセンサーの異常です
女性は男性に比べて特に便意を我慢する人が多いです。
仕事中や授業中などにトイレにいけないというのは男女性別を問いません。
しかし…
「臭いや音で周囲の人にうんちをしているとバレたくない」と休み時間でも排便を我慢したり…
「彼氏の部屋でウンチなんか絶対に無理!!」
「出先の汚いトイレで排便なんか無理無理!!」
と我慢するのは男性よりも圧倒的に女性に多いのです。
こうして便意を我慢することを繰り返すと直腸に便があるにも関わらず便意が脳に伝わらなくなってしまいます。
「ウンチがしたい」と、あなたが思わなくなる便秘です。
あなたもしかして痔ではないですか?その他の原因
直腸性便秘のその他の原因としては排便時に違和感、痛みがある。というものがあります。
痔や直腸瘤などの肛門付近に問題があると排泄時に痛みや違和感があることからついつい便意を我慢してしまい、排便回数が減り、直腸性便秘になってしまうのです。
痛みや違和感がある場合には病院で検査してもらいましょう。
また老化も直腸性便秘の原因となります。
高齢者や寝たきりの方は神経の働きが鈍ってしまい直腸に便が到達しても便意を感じにくくなってしまいます。
骨盤底筋の悪化も直腸性便秘の原因となります。
骨盤底筋は排便時に直腸と肛門をまっすぐつなげる役割がありますがこの機能が衰えてしまうと便が通るための道ができません。
骨盤底筋の働きが悪化した場合には排便時の姿勢や力み方を正す必要があり、いずれにせよ、便意を感じたら我慢せずにトイレに行くということが重要です。
直腸性便秘の改善法
直腸性便秘は肛門付近で起きている問題を取り除くことがもっとも確実な改善方法になります。
決まった時間にトイレに入る習慣を
直腸性便秘の原因として、便意がうまく脳に伝わっていないことがあります。
これは便意の我慢を繰り返した結果、センサーが鈍ってしまうことが原因です。
例えば、毎朝8時にトイレに座るという習慣をつけることで便が直腸まで来ていれば排泄するという習慣を体に覚えさせることができます。
ただし、いきんでも便が降りてこない場合には便が直腸まで来ていないということなのであまり長く粘ってはいけません。
便意がないのにいきみ続けるといぼ痔など別のトラブルの原因になります。
1日ですぐに解決する問題ではないため、少なくとも1週間、2週間と続けて体に徐々に決まった時間に排便する習慣を作るようにしましょう。
便意を感じたらすぐにトイレへ
直腸性便秘は便を我慢することを繰り返した結果、直腸から脳に届くセンサーが鈍化してしまうことにあります。
- 授業中に便意を感じてもトイレにいけない
- 会議中に便意を感じてもトイレにいけない
- 周囲が気になって公衆トイレで排便できない
ということを繰り返した結果が排便センサーの鈍化です。
したいときにいつでも排便できる人はセンサーが鈍化することはありません。
なかなか便意を感じたからといってすぐにトイレにGO!というのは難しいことかもしれません。
しかし我慢を繰り返すのはよくありませんから便意を感じたら我慢すぐにできるだけ早くトイレで排便しましょう。
また食生活を見直す場合には海草や果物などの水溶性食物繊維を多く摂りましょう。
芋類、穀物などの非水溶性食物繊維は便の量を増やしてくれますが便意を感じずに便の量だけ増えるのでさらに悪化します。
直腸性便秘の薬
直腸性便秘には市販の便秘薬を使用してはいけません。
なぜなら直腸性便秘は大腸の蠕動運動には何も問題がないからです。
市販の便秘薬は弛緩性便秘で悩む人のためのものです。
腸を刺激して蠕動運動を促す働きをするため、直腸性便秘の人が服用すると蠕動運動が刺激されすぎてひどい腹痛になってしまうのです。
実は、直腸性便秘の人でも市販の便秘薬を使って無理に排便することも可能です。
しかしこれを繰り返していると便意を感じなくても排便が行われてしまいます。
これが大問題なのです!
直腸性便秘で鈍化した便意のセンサーですが使用しなければますます鈍化してしまいます。
いずれ便秘薬を飲まなくては排便できない体になってしまい危険です。
どうしても排便ができずにお腹が張ってしまう場合には「ミルマグ」などのマグネシウム系の下剤を利用してください。
マグネシウムは浸透圧に作用して詰まった便を柔らかくします。
腸の蠕動運動を刺激することなく排便することができます。
またビオフェルミンなど整腸剤を飲むことで善玉菌を増やして腸内環境を整えることも効果があるでしょう。
病院での治療は?
直腸性便秘は必ずしも病院で治療しなければいけないものではありません。
しかし、痔など排便に痛みを伴うことで便意を我慢してしまうと直腸性便秘と痔の悪化を繰り返すことになります。
何らかの違和感がある場合には病院で治療を受けましょう。
病院を受診した時に処方されるのは前述したように酸化マグネシウム系の薬です。
酸化マグネシウム細粒、酸化マグネシウム「ヨシダ」、マグミットなどですね。
名称は異なりますが、いずれも腸内の水分を保持することで便を和らげる効果を持つ薬剤です。
内科や胃腸科の病院で相談すれば処方してもらうことができるでしょう。
深刻な直腸性便秘と診断された場合には排出訓練や排便感覚訓練などが行われます。
よほど症状が重たい時には肛門科を受診してください。
直腸性便秘に良い食べ物・悪い食べ物
直腸性便秘を改善させる良い食べ物
直腸性便秘に一番必要なものは水分です。
直腸性便秘は便が正常に作られて、正常に大腸を通過して直腸に到達しているにも関わらず便がでない便秘です。
大腸ですでに水分を吸収されている便が長く直腸に留まることで、便が硬くなってしまい更に排便が困難になってしまうと悪循環が加速します。
このため、最も必要なのは水分です。
冷たい飲み物よりも、腸を刺激しない常温の水分が望ましいでしょう。
水分と言っても、ジュースやコーヒー、水道水なんかじゃダメですよ。
水(ミネラルウォーター)が一番のおすすめです。
ミネラルウォーターに含まれる微量のミネラルが直腸性便秘に良いのです。
朝一番にコップ1杯の水を飲むと胃腸が空っぽの状態で水分が通るので効果的です。
腸の運動も刺激されるため、排便が促されやすくなります。
また、一日を通して1~1.5Lの水分を摂りましょう。
そのためには1時間にコップ1杯の水を飲む習慣をつけることです。
水を飲んで便が柔らかくなれば、便意があったときにすぐに排泄することができるため直腸性便秘を改善しやすくなります。
直腸性便秘を悪化させる悪い食べ物
直腸性便秘の方は非水溶性食物繊維の摂りすぎに注意してください。
弛緩性便秘に効果的なのが非水溶性食物繊維です。
しかし直腸性便秘には非水溶性食物繊維のとりすぎは逆効果です。
直腸性便秘の場合、便は正常につくられ、大腸を通って直腸まで来ています。
ここで詰まっているので、便のかさを増してしまうというのは更に肛門に栓をするようなものになって詰まりが悪化します。
直腸性便秘の場合には便を柔らかくしてくれる海草や果物などの水溶性食物繊維が良いでしょう。
また腸内環境を整えてくれる乳酸菌を多く含んだヨーグルトや発酵食品などを積極的に摂るようにしましょう。