不妊検査 男性の初診の流れ
問診
男性の初診で最初に行われるのが問診です。現在の生年月日、健康状態、喫煙習慣の有無から始まってセックスの頻度、満足な射精ができているかなどかなりプライベートな部分について質問されます。恥ずかしいかもしれませんが、治療に必要な情報ですから包み隠さずに現状を伝えましょう。男性の不妊治療は泌尿器科や不妊専門外来で行いますが最初は奥さんと一緒に婦人科でも大丈夫です。異常が見つかった場合に泌尿器科を受診することになります。
触診と視診
男性の初診で行われるのが、触診と視診です。つまり、医師が直接性器の状態を調べる検査です。主に見るのが、精巣(睾丸)の発育状態です。大きさ、形、位置、表面の状態からでも、ある程度のことが分かります。また前立腺や精嚢の大きさ、形、性器の奇形の有無なども検査します。
血液検査など
触診と視診以外にも検査があります。例えば体の診察です。体毛の状態をみたり、乳房が女性化していないかなども確認されます。血液検査では血中のホルモン値を調べます。男性ホルモンの値が低すぎないか、プロラクチン値が高すぎないかなどから精子が正常に作られているかなどを検査します。
精液検査は病院によってさまざまです。初回に行う病院もあれば、行わない病院もあります。
不妊検査 男性の検査の流れ
精液検査
男性の不妊検査で最も有名なのが精液検査ですね。これは基本中の基本であり、もっとも重要な検査とも言えます。初回には行わない病院もありますが、最初にやってしまう病院もあります。
この精液検査で、精子に異常が見つかった場合には精巣の検査や精管精嚢造影検査など精密検査を行うことになります。
精液検査では何が分かる?
精液検査で分かるのは精子の数、精子の異常の有無、精子の奇形率です。精液を採取する前には4~5日間禁欲する必要があります。
精液は専用の容器に射精します
この時、病院でマスターベージョンを行うのが望ましいのですが自宅で採取して持ってくるように言われることもあります。この場合には、採取してから3時間以内に病院に持って行く必要がありますので家を出る直前に採取することになります。精液を運搬するときに大事なのは、人肌の温度を保つことです。女性の場合にはブラジャーの間に挟むなど工夫してください。
精液の状態は採取の状況によって異なります。疲れていたりストレスで減少することもありますから1度で判断するのは難しいです。1回だけではなく、何回か受ける必要があります。精液検査で無精子症など精液に異常が見つかった場合には、睾丸組織検査や精管精嚢造影検査などの精密検査に進みます。
睾丸組織検査
高度乏精子症や無精子症の疑いがある場合に受ける検査です。睾丸組織検査では精巣がどのくらい正常に機能しているかを調べます。睾丸で精子がきちんと作られているのか?ということを直接観察できます。
検査方法は睾丸に局部麻酔をかけ、睾丸の組織を少し切り取って、顕微鏡で観察します。精液検査をしたときに精子が見つからなかったのに、精子が見つかったというときには精子はきちんと作られているのに、途中で何かが邪魔して排出されていないということになりますから、問題は精管にあることになります。精子が見つかった場合には、一緒に取りだします。そして冷凍保存しておき、体外受精や顕微授精に使用することもあります。
精管精嚢造影検査
精液の量が少なかったり、無精子症の疑いがある場合に行う検査です。局部麻酔をした陰嚢から管を通して造影剤を注入し、X線で撮影を行います。この検査をすれば、造影剤が通らなかった部分は映らないため精子の通り道でどこに問題があるのか、特定することができます。
抗精子抗体検査
抗精子抗体検査は精液検査で行われるものです。男性自身が抗精子抗体を持っていると自分自身の精子を攻撃してしまいます。攻撃された精子は運動能力が低下し、受精能力も低下してしまいます。外傷や感染症が原因になるケースもあるので注意が必要です。
ハムスター検査
この検査も精液検査で行います。ハムスターの卵子に精子を与えて、精子が卵子に侵入できるかどうかを調べるというものです。精子の受精能力が高ければ問題なく侵入できます。ただし、検査で侵入しなかったからと言って、あまり落ち込む必要はありません。中には受精能力に問題がないにも関わらず、卵子に侵入しないケースもあるからです。
染色体検査
血液を1回採取するだけでできる簡単な検査です。クラインフェルター症候群などの性染色体異常がないかを調べます。ただし原因が特定できたからと言って、治療法がないという現状があります。
ホルモン検査
こちらも血液検査で行えるものです。採取した血液の中に卵胞ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)などホルモン量がどのくらい含まれているかを調べる検査です。
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