卵管障害について
卵管癒着
卵管が詰まっていると精子や卵子が通ることができません。当然受精卵も通過できないので、妊娠することができないのです。このように卵管が詰まっている状態を「卵管障害」と言い一時的に詰まっている状態を「卵管癒着」と言います。
卵管が癒着しているかどうかというのは、通気検査や卵管造影検査で診断することができこの時の検査で一緒に詰まりを取ることもできます。
卵管癒着が起こる原因は不明な部分も多いです。しかし性感染症が原因で起こることも多いです。
特にクラミジアは感染すると子宮内膜から子宮内枠や卵管へと炎症を広げてしまいます。放置してしまい、悪化すると時に腹膜炎を起こすこともあります。クラミジアは自覚症状がないこともあるので注意が必要です。もしもクラミジアであると診断されたら、夫婦二人で治療を受けなければいけません。どちらか一方が完治しても、もう片方が治療しなければ性行為を行うたびに、お互いに感染し合うことになるからです。治療は比較的簡単で抗生物質を2週間ほど服用すれば治ります。
また子宮内膜症が卵管癒着につながることもあります。子宮は毎月受精卵を育てるために内膜を厚くして準備しています。そして受精卵が着床しなかった場合には、内膜が不要になるため体外に排出されて月経となります。しかし内膜が剥がれ落ちる途中で別の細胞にくっついてしまうとその部分の内膜が厚くなってしまいます。月経を繰り返すほどに内膜が厚くなっていきます。この結果、卵管癒着が起こることがあります。
卵管閉鎖とは
卵管閉鎖は2本ある卵管のうちのどちらか、もしくは両方が癒着している状態です。卵管は2本あるので、どちらか一方だけでも通っていれば自然妊娠できる可能性はありますが健常な時に比べてやはり妊娠の確率は低くなってしまいます。このため排卵鏡を使って治療を行うか、体外受精などに進むことがあります。
痙攣性卵管通過障害
ストレスで排卵ができなくなってしまうように極度に緊張状態が続いてしまうと、自律神経やホルモンバランスがくずれて卵管が癒着して卵子や精子が通過しにくくなるということがあります。
これは心因性の物なので、まずはストレスを取り除くことが先です。仕事が忙しすぎたり、人間関係で悩んでいたりするのが原因となりますしどうしても妊娠したいという気持ちもストレスになってしまいます。親からの「孫はまだ?」などの催促も原因になりがちです。薬による治療もできますが一番は落ち着ける環境を作ることですね。
不妊症の治療は先生との相性が大事/27歳A子さんの不妊治療体験から
20代前半で結婚し、特に避妊をしているわけでもなかったのに子供ができにくく、27歳になったときに婦人科を受診しました。
病院では「まだ年齢的にも若いし大丈夫」「妊娠する可能性が高い」と言っていたにも関わらず、いざ卵管造影検査をしてみると「これはめっちゃくちゃ詰まってるね」と面白そうに言い放ったのです。
悩んで悩んで不妊外来を受診したので、この言葉には強いショックを受けてしまいました。結局この言葉がきっかけで、不妊外来を変えることに。今は少し離れた違う不妊外来に通っていますが、とても先生との相性も良く安心して任せられるので変えてよかったです。やっぱり不妊症の治療は先生との相性が大事ですね。
頸管障害について
頸管粘液不全
頸管粘液は子宮頚部から分泌される粘液です。月経の周期にともなって量や性状が変化する性質を持っています。排卵期になると、頸管粘液は通常よりもたくさん分泌されるようになります。これは精子が子宮に進みやすくするためです。この頸管粘液が不足してしまうのが頸管粘液不全です。
ホルモンバランスの崩れ、頸管の炎症、精子膿症などが原因で起こるものでホルモン療法で治療することができます。
抗精子抗体
不妊で悩む女性のうち、数%の割合で見つかるものです。女性の血液の中に存在している抗体が精子に対してアレルギー反応を起こしてしまい子宮内に侵入しようとする精子が頸管内で殺されてしまうというものです。
抗精子抗体というのはまだまだ未知の部分が多いものです。コンドームを使ってセックスのタイミング法を行い半年ほどで改善することもあります。半年経っても改善が見られない場合には、人工授精や体外受精で不妊治療を行う方にシフトするか、免疫抑制剤を使ってアレルギー反応を抑える治療法を行います。免疫抑制剤は他の免疫作用にも影響しますので、慎重に検討しなければなりません。
実は抗精子抗体というのは男性にもまれに作られることがあります。これは外傷などが原因でできてしまうことがあり精子がつくられても抗精子抗体のせいで精子の運動力が全くありません。治療は困難なので、顕微授精などで受精させる不妊治療がメインになります。
目次 赤ちゃんがほしい。不妊の悩みを解決
2016.09.07
妊娠・出産・不妊の悩み
【不妊を治す】不妊チェック法と不妊の原因/女性編、男性編
なかなか赤ちゃんができない・・・そう思ったら 夫婦生活は順調にあるのに、なぜか妊娠できない。こんなときには何か…
2016.09.12
妊娠・出産・不妊の悩み
【不妊5年目の30代夫婦へ】不妊の原因チェック夫婦編
夫婦の不妊症 セルフチェック1 セックスに満足していますか? セックスが上手くいかなければ、妊娠することは叶い…
2016.09.12
妊娠・出産・不妊の悩み
【不妊5年目の30代夫婦へ】妊娠のしくみを正しく理解することからはじめよう
排卵、受精、着床と3つの工程で妊娠が起こる 排卵と月経周期 妊娠するためには排卵が必要です。毎月月経が起こる前…
2016.09.12
妊娠・出産・不妊の悩み
【不妊を治す】タイミング法を使って自然妊娠!妊娠しやすいセックスとは
自然妊娠を目指すなら、タイミング法というのが確実な方法です 自然妊娠とは 避妊をせずにセックスをすると女性の卵…
2016.09.12
妊娠・出産・不妊の悩み
【不妊を治す】普段の生活と食事を見直そう
妊娠しやすくなる生活習慣 妊娠しやすくなるためには、生活習慣を見直すことも大切です。 生命力を高めよう 検診を…
2016.09.13
妊娠・出産・不妊の悩み
不妊症の原因を男女別でもっと詳しく解説。もしかして不妊症かも・・・
不妊症かもしれない…と思った時には タイミングを計って性交渉を持ったにも関わらず半年繰り返しても赤…
2016.09.13
妊娠・出産・不妊の悩み
【不妊症の病院選び】失敗しない病院の選び方と注意点
本当に良い不妊症病院とは? 不妊治療を行うためには、不妊外来のある病院に通うのが一般的です。どんな病院が本当に…
2016.09.14
妊娠・出産・不妊の悩み
【不妊検査の流れ 女性編】初診と検査でどんなことをするの?
不妊検査と治療でありがちな疑問 原因特定するまでにかかる期間はどれくらい? 不妊治療をするために病院へ行くとま…
2016.09.15
妊娠・出産・不妊の悩み
【不妊検査の流れ 男性編】初診と検査でどんなことをするの?
不妊検査 男性の初診の流れ 問診 男性の初診で最初に行われるのが問診です。現在の生年月日、健康状態、喫煙習慣の…
2016.09.16
妊娠・出産・不妊の悩み
不妊治療を本気で考えはじめたら読むページ
不妊症というのは、まだまだ解明されていないことも多い症状です。実は現代の医学では、検査をすればすべての不妊原因…
2016.09.16
妊娠・出産・不妊の悩み
【不妊原因と治療法】排卵障害
排卵障害とは何らかの事情で排卵が正常に行われていないことを指します。 卵巣機能障害 排卵障害の代表的なものが卵…
2016.09.20
妊娠・出産・不妊の悩み
【不妊原因と治療法】卵管障害と頸管障害
卵管障害について 卵管癒着 卵管が詰まっていると精子や卵子が通ることができません。当然受精卵も通過できないので…
2016.09.22
妊娠・出産・不妊の悩み
【不妊原因と治療法】着床障害と習慣流産、第2子不妊
着床障害について 先天子宮奇形 生まれつき子宮の形が普通の人とは違うということがあります。正常な子宮は真ん丸で…
2016.09.26
妊娠・出産・不妊の悩み
【男性の不妊原因と治療法】精子形成障害と精子通路障害
精子形成障害について 無精子症 精液検査を受けた結果、精子が全く認められない時に無精子症と診断されます。精子濃…
2016.09.30
妊娠・出産・不妊の悩み
【不妊治療の選択基準と方法】人工授精、体外受精、排卵誘発法、顕微授精
人工授精について 人工授精は実はそこまで難しい治療法ではありません。なんとなく高度治療と考えている人が多いので…