お腹の脂肪には2種類ある 皮下脂肪、内臓脂肪の違いと特徴
お腹に付く脂肪は2種類に分類することができます、それぞれに特徴があり、出来る原因も異なっています。どちらが多いのかもダイエットや健康を考える上で非常に重要になりますし、性別によっても付き方が違う点にも注意しなければいけません。その2種類は皮下脂肪と内臓脂肪です、どのような違いと特徴があるのか見てみましょう。
皮下脂肪
文字通り皮膚の下にある脂肪細胞で、手でつかみやすくなっています。女性の方が男性よりも皮下脂肪が付きやすくなっていて、保温やエネルギーを貯蔵する働きがあります。どうして女性に付きやすいのかというと、保温効果により子宮を冷やさない事と衝撃から守るためだと言われています。そして皮下脂肪は新陳代謝が非常に悪く、分解されにくいのでダイエットをしても中々落ちにくい脂肪になります。
内臓脂肪
内臓脂肪は腹腔内にできる脂肪細胞のことで、貯まりやすい脂肪と言われています。役割としては内臓の位置を保つことと、衝撃から守るためです。女性よりも男性のほうが付きやすく、その理由は筋肉が内臓脂肪を熱源として利用するため、筋肉量が多いのは男性だからです。皮下脂肪に比べると燃焼効率が高いので、運動などによって取れやすい脂肪になります。
皮下脂肪は手で外から掴むことができますが、内臓脂肪は掴むことができないので、CTなどでスキャンしなければどれだけの量があるかは分かりません。皮下脂肪はお腹だけでなく、下半身周りのお尻、太ももなどにつきやすい性質があります。
皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満の見分け方
肥満といっても皮下脂肪型と内臓脂肪型に分けられるのですが、それを見分ける方法があります。皮下脂肪か内臓脂肪かによって、ダイエットの方法が異なるわけですが、自分がどっちなのかは気になる所でしょう。そこで自分がどちらなのかの見分け方を見てみましょう。
まず、お腹の皮膚の下にあり手でグッとつかめるのが皮下脂肪です
お腹だけでなく腰の周りや背中にもつきやすいのが皮下脂肪の特徴です。逆に内臓脂肪は腹腔内にある脂肪なので、手でつかむことはできません。皮下脂肪は女性に多くありますが、男性でも一定はあるので掴める脂肪があるどうかだけでどちらなのかは決めることはできません。
もっと的確に分類する方法として、ウエスト・ヒップ比で見分ける方法があります
ウエスト・ヒップ比の求め方は、ウエスト÷ヒップになります。この計算結果が1.0以上ならリンゴ型、0.7以下なら洋梨型となります。リンゴ型の場合は、内臓脂肪が多いと考えられますし、洋梨型であれば皮下脂肪が多い体系をしていることが分かります。
内臓脂肪と皮下脂肪では付く場所がウエストなのかヒップなのかで違うために、ウエスト・ヒップ比で傾向を図ることができるのです。
ただ、この方法はあくまでも目安にすぎません、本当にどちらの脂肪が多いのかはCTスキャンでウエスとからヒップの断面図を確認しなければ分かりません。大まかな傾向として、ウエスト・ヒップ比で分類することができると考えてください。
内臓脂肪が体にもたらす影響
内臓脂肪が体に多く付くようになると様々な影響があります。典型的な影響として動脈硬化、高血圧、高脂血症、心筋梗塞、糖尿病など生活習慣病と言われる病気を発症するリスクが高まります。
内臓脂肪が貯まりやすい男性でも若いうちは運動によるエネルギー消費が高いので、内臓脂肪が必要以上に貯まることはありません。しかし運動不足になったり、消費エネルギー以上に暴飲暴食などで高カロリーな食べ物を摂取し続けることで内臓脂肪が貯まってしまいます。
内臓脂肪は有酸素運動などを繰り返し行うことで燃焼が進みやすく、皮下脂肪に比べると落ちやすい脂肪であることが分かっています。ですから内臓脂肪を貯め込まないためには、定期的な運動が欠かせませんし、暴飲暴食や脂っこいものの食べ過ぎなどに注意して、生活習慣の改善が必要になります。
内臓脂肪の貯めすぎは男女ともに良いことはありません。内臓脂肪が多くなるということは、代謝に問題があることの印みたいなものですから、放置し続けると前述のように生活習慣病になるリスクは高まって行きますし、最終的には命に係わる疾患に繋がりかねません。
このことから内臓脂肪は適度な量に抑えておくことが大事なのです。ウエスト・ヒップ比やBMI値などを参考にしながら、脂肪の付き具合について常にチェックしておく必要があります。男性に付きやすいのは言うまでもありませんが、女性でも油断していると皮下脂肪にプラスして内臓脂肪が定着して痩せにくい体になってしまうので要注意です。
皮下脂肪が体にもたらす影響
皮下脂肪が体に貯まりやすいのは男性よりも女性です。内臓脂肪に比べると皮下脂肪が貯まっているのは見た目にも、手で掴むことでもわかるので内臓脂肪よりも視覚的に把握しやすいという点もあります。加えて、皮下脂肪が多くなっても内臓脂肪のように動脈硬化、高血圧、高脂血症、糖尿病、心筋梗塞などの生活習慣病に直接つながるようなことはありません。
であれば皮下脂肪が貯まってもどうってことないんじゃない?!と思うでしょう。確かにそうかもしれませんが、女性にとっては見た目で脂肪が分かるのはスタイルを維持したいという感覚などからして気になるのは言うまでもないでしょう。そしてこの皮下脂肪は燃焼されにくい特徴があるので、運動しても中々落ちることはありません。
逆に運動などで痩せようとすると、皮下脂肪の前に内臓脂肪が燃焼されていくことになります。加えてバストなどの脂肪は皮下脂肪ではありませんので、運動によって失われやすいのです。となれば、皮下脂肪だけが残りダイエットしたことでバストサイズが小さくなってしまうという、本末転倒な体系になってしまいます。
中には炭水化物を減らすことでダイエットしようとする女性がいますが、炭水化物を減らして血糖値が下がった場合は、筋肉や内臓脂肪などが使われてしまいます。すると、筋肉量が減ってしまうのでさらに太りやすい体質になるという悪循環に陥るのです。皮下脂肪は一度体に定着すると落ちにくい脂肪であることを理解しましょう。
お腹の脂肪が落ちるとき、お腹の中で起こっていること
運動や食事改善でダイエットをするとき、お腹の脂肪は燃焼して減って行きます。実際にお腹の中ではどんなことが起こってるのか見てみましょう。まず、脂肪が燃焼していくまでの手順は以下のようになります。
血液中のブドウ糖が消費されます、ブドウ糖が消費されると血糖値が下がるので次に内臓脂肪が消費されて糖質へと変換されてエネルギーとなります。それでもエネルギーが不足する状態になると、次に消費するのが皮下脂肪になります。そのため、内臓脂肪は短期的なダイエット(糖質制限や有酸素運動)で落ちますが、皮下脂肪の消費には短期ダイエットでは難しいことが分かります。
最後に皮下脂肪が消費されるので、皮下脂肪の比率の多い女性は年齢と共にダイエット効果を得にくくなります。皮下脂肪を落とすためには、有酸素運動や糖質制限だけでは無理があります。それに加えて筋トレ、リンパの流れを良くするなどの追加要素があって初めて皮下脂肪の消費が始まると考えてください。
筋トレによって基礎代謝を上げ、脂肪燃焼が進みやすい体質を作ります。急激な運動をすると免疫系にダメージを与えてしまいますので、徐々に運動しましょう。そして併用してリンパマッサージを行うことで、リンパの流れが改善されていきます。リンパの流れが悪いと老廃物が正常に排泄されないので、燃焼した脂肪が体外に出て行きにくく結果として痩せない原因になってしまいます。このようにリンパの流れを良くすることは、皮下脂肪を燃焼させるだけでなく健康維持にも効果があることが分かります。
お腹の脂肪を落とす食事
果物、野菜をたくさん食べる
お腹の脂肪を落としたいなら、食生活を改善しなければいけません。かと言って、急に食事量を減らすと、お腹が空いてたまりません。太っている人は、胃が大きくなっているか、頻繁に間食をしているので、痩せている人が食べるのを我慢するよりもつらいです。
習慣化していることを変えるというのはなかなか大変です。毎日駅まで20分かけて歩いているなら、大変だとも思いませんが、普段歩いていない人が20分歩くのは大変でしょう。
毎朝、朝食をグリーンスムージーにしている人は当たり前にできることですが、普段朝食をしっかり食べている人にはとても辛いのです。
ですから、食事量自体を一気に減らしてしまうとストレスで過食してしまいリバウンドに?がりかねません。
そこで食べる量自体はできるだけ減らさずに、カロリーを少し減らしましょう。様子を見ながら徐々に減らすのです。1、2㎏減らしたいダイエットとは違い、デブのダイエットは長期戦です。短期間に落とそうとすれば無理が出てリバウンドにつながります。まずは『習慣化』を目指して下さい。
脂っこい食事、カロリーの高い食事を控えて野菜中心の食事をとりましょう。ご飯を食べる前に、サラダを山盛り食べる。そうすると脂っこい料理、カロリーの高い料理は少しで満足できます。間食が我慢できないときにはフルーツを食べてください。
今まで一日に2000カロリー摂取していたなら1800カロリーに抑えましょう。1800カロリーになれたら1600カロリーに慣らしましょう。少しずつ、確実にがダイエット成功の秘訣です。短距離走で走れる距離は200mが限界です。デブのダイエットはマラソンですから短距離走のような走り方をしてはいけません。
白米など精白された穀物を避ける
白米は糖分です。体内で分解されエネルギーになるのですが、ダイエットには向いていない食材です。糖質制限というダイエット方法が広くしられているように白米など精白された穀物はできるだけ控えるようにしてください。
どうしても食べたいときには雑穀米などを食べると良いでしょう。雑穀米は栄養価が高い上に食物繊維が豊富です。腸内環境を整えて宿便を排出させる働きがあります。
何よりもお米が好きという人がいる場合には、白米に混ぜられる大麦や白米に混ぜられるこんにゃくなどが販売されています。これらは白米を食べながらでもカロリーがカットできるというもの。薬局や通販などで手に入りますから活用するとよいですね。(食べ過ぎないようには注意しましょう)。
勿論小麦も精白された穀類に含まれます。パン、うどん、パスタ、ラーメンなどもできるだけ控えて下さい。最近ではこんにゃくを麺に見立てた製品や春雨を使った製品も多く販売されていますから、ダイエット中はできるだけ摂取を避けましょう。
朝食は野菜たっぷりのグリーンスムージー。活動時間帯のお昼はある程度しっかり食べても大丈夫ですが、できるだけ和食中心のヘルシーなものを選び、夕飯もサラダなどを中心としたヘルシーなメニューを食べましょう。
タレントで歌手のGAKCTさんはあの肉体を維持するために炭水化物の摂取をしないそうです。芸能人やハリウッドの女優さんでもプライベートでは一切穀類を取らないと言う人も多いです。それほど当たり前に意識したほうがよいことなのですね。
ジュースは水に変更!
あまり間食をするわけでも、食事量も多いわけでもないのに太ってしまうと言う人の多くが「ジュース」を飲んでいることが多いです。
ジュースには驚くほどの糖分が含まれています。例えばコカ・コーラ、カルピスウォーター、カフェオレなど500mlペットボトルに入っている角砂糖は15個分以上です。
普段の生活で角砂糖を15個も食べると思うと「うぇ」っと胸やけがするのではないでしょうか。普通に考えたらとても摂取できるような量ではないにも関わらずジュースという形だと甘さを感じにくいので500mlくらい簡単に飲めてしまうのです。
1日1本、ペットボトルのジュースを飲む場合、かなりの糖分を過剰に摂取していることになります。ジュースは今すぐ辞めて、水もしくはお茶に変更しましょう。この時のお茶は麦茶やほうじ茶、緑茶などの無糖の物を選んでください。
そして、食事の前には必ず水をコップ1杯以上飲むくせを付けてください。先にコップの水でお腹を満たすことで、通常よりも少ない食事で満腹感が早く訪れるようになります。
野菜ジュースやフルーツジュースも避けてください。濃縮還元されているものには砂糖がたっぷり使われているからです。野菜ジュースやフルーツジュースを飲むときには自分で絞って、すぐに飲むようにすると良いですね。
また、カロリーゼロの飲料も避けたほうが良いです。これらは人工甘味料で甘さを出しているためカロリーはゼロですが食欲を増進させるという研究があります。甘いものを我慢することを習慣化したほうが良いので、必ずお茶かお水を選んでくださいね。
よく噛んでゆっくり食べる
当り前のことですが、食事はよく噛んでゆっくり食べてください。太っている人の多くが、一口がとても大きく数回しか噛まないうちに飲みこんでしまっています。
これでは本当に美味しい料理の味をあじわってると言えません。一口一口を大事にして下さい。料理を口の中に入れたら、よく噛んでじっくり味わってください。口の中ですべてを消化させてしまうくらい、どろどろになるまでよく噛んで味わいましょう。
そうすることで、食事に時間がかかるようになり、満腹中枢が刺激されて少量の食事でも満足感を得られるようになります。
ガバガバ口に放り込んで、喉の奥に押し込むような勿体ない食べ方は今すぐやめましょう。せっかくの料理をろくに味わいもせずに「ごちそうさま」は作ってくれた人にも失礼でしょう。
また、食事は柔らかいものだけではなく硬いものも積極的に取り入れて下さい。例えばゴボウやレンコンなど歯ごたえのあるものです。野菜は大きめに切って、数回噛んだだけでは飲みこめないようにするのもポイントです。大きめだと何度も噛むので自然に満足感が得られます。
早食いすると、満腹中枢が働く前にどんどん食べ物が胃の中に入っていきます。すると満腹になりすぎてしまうのです。これが慣れると体も慣れてしまうので、どんどん食べられてしまいます。量を減らして少しの量で満足できるようになりたいですね。そのためにはドロドロになるまでよく噛んで味わう、これが一番大事です。
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